徘徊おじいさん
こんにちは、ryo-b です。
施設で働いていた時に新規入所されたおじいさん。
背が高く、性格は穏やかなおじいさんです。
確か、精神科を退院されてきたおじいさんだったように記憶しています。
薬の調整をして落ち着かれたので退院して、施設入所ということになりました。
新規入所の際には入所前に相談員が面談をして、その結果を事前情報として職員間で共有します。
事前情報には息子さん夫婦と同居されており、認知症の為の徘徊が頻回で年100回以上警察から呼び出されていた、とのことでした。
なぜか自動改札をくぐり抜け電車に乗って遠くまで行かれていたことも多かったようです。
ショートステイ利用時も外に出てしまいどこかに行かれたことがあったとか。
ご家族は本当に大変だったでしょう。
相談員が病院で面会をした際には落ち着いて車椅子に座っていたと…( おそらくベルトをしていたと思われます。施設ではできません)
そして私たちの施設に入所。
ご自分でスイスイ歩かれる為、車椅子は使用せず、歩行で移動し、普通の椅子を利用することになりました。
会話はあまり通じません。
表情は穏やかで笑顔も見られます。
ただ、やはり立ち上がることが多く、歩き回ります。
席に座っていただいてもすぐに立ち上がって動き始めます。
足を骨折したことがあり、ふらつくことがありますので、転倒リスクが高いです。
夜も徘徊がみられます。
何が、どの部分が落ち着かれての退院だったのか…
ご本人は何か目的があって動かれているのでしょう。
しかし、動きも早く、どこに行かれてしまうのかわかりません。
職員の人数がそろっている施設でしたら付き添うこともできるでしょう。
しかし、私たちは昼は1人で10人以上の方をみる時間が多く、それぞれのお部屋に入って介助をすることも多いです。
お1人に付きっきりになると他の方達の対応ができず排泄介助などが後回しになってしまいます。
夜は1人で20人以上をみる為、徘徊が始まると他のやらなければいけないことが止まってしまいます。
そんな状態が数ヶ月続きました。
そして、転倒。
骨折され入院。
認知症の症状も悪化してしまったようで、施設でみるのは無理でしょうとのことでそのまま退所になりました。
私が夜勤明けの日。
朝食後に徘徊が始まりました。
早番職員が対応すると他のことが止まってしまいます。
おじいさんと手を繋いでお話ししながら施設内を歩いたことがあります。
どこに行きたかったのでしょう…どんな景色が見えていたのか…
着ているシャツの首元にはお住まいの地域名と名字が書かれた名札が貼り付けてありました。
それだけいなくなっちゃうことが多かったんですね。
今はどうしているんでしょう…
介護職員に余裕がある施設ってどのくらいあるんでしょうね。